感染症と筋骨格系は別物と考えよう。

公開日:2017/02/21

僕らは皆「感染症」みたいな対応を「基本」と考えている。

これは僕らの母世代に顕著です。

僕が79ねん生まれなので、昭和中盤世代くらいかな。

とにかく「安静にしておけば間違いない」という絶対的な認識が凄い。

感染症の風邪も、筋骨格系の捻挫も全て「安静」。

「安静療法」は僕も効果的な治療法の一つだと思うのですが、妄信的な安静神話はどうかとも思います。

少なくとも「筋骨格系」において「安静療法」は絶対の治療法にはなりえないです。

ちなみに、この安静神話に対するアンチテーゼとして「運動神話」があります。

「とにかく動かしておけば間違いない」

という逆に振れすぎた「運動療法」の極致です。

もう少しバランスが取れないものかと思うのですが、これは「療法の本質」を余り理解していないから起こる曲解ではないかと僕は思います。

  • まず、治そうとする対象は何なのか?
  • その対象は何を必要としているのか?

この程度の掘り下げでも、適切な対応策は見えてくるものです。

「安静療法」は感染症には圧倒的に強い療法。

身体に何か問題が起こった時に良く出てくるのが

「とにかく安静にしておけば良い」

というものです。

これは、感染症の場合には間違いなく正解だと思います。

薬の投与が必要な疾患であったとしても、先んじて安静にして問題は無いでしょう。

身体を休めて免疫サポートを図るのが安静療法

安静療法の本質は「身体の免疫サポート」にあると思います。

感染症を起こしたとき、身体は自動的に免疫が発動し、感染源を排除しようと活性化します。

この時に、身体が感染症に集中できる様な環境を整えるのが安静療法です。

極論すると「栄養摂ってぐっすり寝る」というだけです。

単純ですが、今の時代は特に効果的だと思います。

免疫と自律神経の関係はまだまだ未解明部分が多いみたい。

感染症の対応には副交感神経が優位の状態が望ましいと言われますが、厳密にはまだ良く分かっていないみたいです。

血中の好中球の変化で検証されたりするみたいですが、外傷時などの交感神経優位の状態でも、増えるのが確認されている為に副交感神経優位が治癒に望ましいとは限らないという事なのかな。

個人的には外傷時と感染症発症時は同じ好中球の増加であっても、「侵入防止」と「感染源の排除」で少し目的が違うでしょうから、比べる対象としてはどうかなとも思います。

とはいえ、安静にしている方が「身体が感染源に集中できる」というのは間違いないでしょう。

安静療法の問題点は「筋肉・関節が衰える」という事。

筋骨格系において「安静療法」が万能とならない理由はここです。

筋骨格系疾患で生じた「炎症反応」が落ち着くまでは安静はとても効果的で「RICE」という応急処置の定番もあります。

ですが、これは「炎症」が落ち着く事には効果的なのであって、安静は別のリスクを身体にもたらしてしまいます。

筋肉・関節の衰え

これです。

  • 「使わない筋肉」は3日で衰え始めると言われます。
  • それはすなわち「関節」の機能低下にも直結します。

俗にいう「関節が固まる」なんかが正にこれです。

高齢者になればなる程に、そのリスクが高くなります。

落ちるのは早いのに、鍛え直すのが大変になるという。

筋骨格系で「安静しておけば大丈夫」とする方、特に高齢の女性の方は要注意です。

動かさない関節は本当にドンドン動かなくなります。

「動かすと痛くなりそうで怖い」という不安が「動かしたくない」「安全の為に動かせない」という理由を後押ししてしまうのです。

「動かせる範囲」というものが必ずあるので、それを見極めて動かすべきです。

僕らの筋骨格系は「動かして何ぼ」の組織として作られていますので、動かさないと脳は「不要パーツ」として容赦なく捨てていきます。

「運動療法」は関節疾患には心強い療法。

安静療法の行き過ぎによって運動機能が著しく低下するケースが「中高年」の場合は出てきます。

それは「安静の長期化」による「筋肉・関節の衰え」が原因です。

僕らの身体、筋肉は使う為に作られています。

その筋肉の運動の先に「関節運動」が存在しています。

僕らの関節は「滑液」というオイルが常に充填されている状態なのですが、これが分泌されるには必要な要素があります。

関節を運動させる

という事です。

「使いすぎ」が問題になりがちな筋骨格系ですが、問題なのは「特定の動作による偏った使い方と使い過ぎ」であって関節運動そのものの問題ではありません。

ですので、関節を正しい使い方でしっかり使ってあげる事は「滑液分泌」を促進させて、関節の機能回復に貢献してくれるのです。

整形外科などのリハビリテーション科で行っているのは正にこれですね。

  • 正しい関節運動の再教育
  • それに伴う滑液の分泌促進~関節の機能性回復

「使い過ぎて壊した」という認識が多いと思いますが、実は「誤った使い方で壊した」というのが正しいところ。

「使えば使うほどに痛い」というのはそもそもの関節運動が正常ではないままなので、先にそちらを治療すべきです。

「デューク更家」さんのお母さんの話ですが

病と闘いながら、医者に薦められたことがきっかけで、健康になりたい一心で毎日毎日歩き続けたあげく、膝を痛め、車椅子の生活を余儀なくされた母。

引用元:http://dukeswalk.net/paradise.html

この一文は正にそれを物語っていると思います。

「歩く」という事は間違いなく良質の運動療法なのですが、「歩けない状態」で無理をすると股関節や膝、足首を痛めてしまうんです。

これは在宅療法の落とし穴だと思います。

「運動療法」の前段階として「運動できる状態を取り戻す」という事がある。

これは僕ら患者側に不足している認識です。

仕方ないです。だって誰も教えてくれなかった訳ですから。

運動療法は間違いなく優れた治療法です。

ですが、それはあくまで「運動療法」という方法論の話です。

取り組む僕らの身体が「運動療法」を行える状態にあって成り立つ理屈なんですね。

健康器具も同様です。

あれは五体のバランスが綺麗に整ってある状態で使えば運動効果が期待できますが、崩れた状態で使えば効果は半減です。

無理に頑張ると痛めるかもしれません。

だから「運動させたら治るんや」という運動療法神話に取りつかれた人も少なくない日本なのですが、「運動させられる状態かどうか」という前段階の判断基準をしっかり持ちましょう。

不安であれば、それこそ病院や代替医療の専門家に聞いたら解決します。

今からでも遅くないですから、学んでいきましょう!

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