腎臓の働きについて学ぼう

肝腎要の「腎臓」の働きについて

皆さん、今更なんですけど腎臓の働きって知っていますか?

「おしっこを出す」

という答えが返ってきそうなんですが、正にその通りです。

「腎臓はおしっこを作る」臓器です。

そして

「ホメオスタシスの維持」にも実は大きく関わっている重要な臓器です。

  • おしっこを作る:「排泄系」としてのお話
  • ホメオスタシスの維持:「内分泌器官」としてのお話

今回は「ホメオスタシスの維持(内分泌系)」に関しては置いときまして、

「おしっこを作る(排泄系)」という役割を掘り下げて解説していきたいと思います。

正確には

「おしっこ」とは何ぞや?

という内容ですね。

※実際は、排泄系も「ホメオスタシスの維持」に大きく関わっています。人間の身体は「役割が重なり合っている」のが普通なんですね。

おしっこ(尿)とは身体に不要なものの塊

先に簡単にまとめてしまいますと、おしっこ(尿)とは

  • 身体に不要と判断された物質
  • 代謝の残りカスであることが多い
  • 身体に蓄積されると問題が生じる物質

が液体に溶け込んだものです。

再吸収されなかった「身体に必要な物質」も若干は含まれていると思いますが、誤差の範囲といって良いと思います。

余談:飲尿療法について

[bd url=”https://www.aru-kikata.com/archives/2258″]

 

こちらの記事で述べていますが、飲尿療法という民間療法があるのですが、

「おしっこ(尿)の成り立ち」を考えるとどう考えても余り期待はできないと思います。

おしっこ(尿)自体が

  • 「もう要らない」
  • 「あっても困る」

と脳に判断された物質だらけなので、それを敢えて戻す必要性が見つからないのです。

色んな理屈があるのだとは思いますが「身体が外に出そう」と作り出した物質だという事だけは覚えておいて下さい。

生命の循環に逆流する形になる民間療法ですね。

大便と小便は少し勝手が違う事を知っておこう。

「身体からの排出」となると「うんち」が真っ先に思い浮かぶと思います。

実際、デトックスにおけるエースはウンチです。

ですが、「おしっこ」とは根本的に違うところがあります。

  • おしっこ:身体の内部で不要となった物質を体外へ排出する。
  • うんち:身体に吸収されなかったものの塊

つまり

  • おしっこ:「体内から体外への排出」
  • ウンチ:「体外から体外への排出」

となる事です。

殆どの人が口から肛門までの管を「内部」と考えてしまいがちだと思いますが、

粘膜組織(上皮組織)は「内側の皮膚」です。

外側の皮膚は外部環境と接しているのでバリア機能が発達していますが、口と肛門で塞がれている内側の皮膚は「体内への吸収」を最優先にした作り(粘膜組織)になっています。

でも、どちらも僕らの身体にとって「外の環境との接点」に違いないのです。

ここの固定観念を取り払うと身体に対する理解が一気に深まります。

まずは腎臓の基本設計について再確認。

腎臓はおしっこ(尿)を作り出す臓器

誰もが知っているこの腎臓の機能。

腎臓は毎日毎日「おしっこ」を作っています。

その量は1日あたり約1.5リットル。

僕らは毎日ペットボトル1本分くらいのおしっこを腎臓で作っている事になります。

「え?そんなもん?」

と思われた貴方、それはあくまで「最終的に排出されるおしっこ」の話です。

腎臓は水面下ではバリバリ働いているのです。

毎日「ドラム缶1本」分くらいを濾過している。

おしっこは基本的に血液です。

血液が「腎臓」で濾過される事によって「原尿」という「おしっこ手前」の状態にされ、最後に「おしっこ(尿)」となって膀胱へと向かいます。

繰り返しますが1.5リットルとは最後に出来上がる「おしっこ(尿)」の量です。

 

その手前の「原尿」は何リットルだと思いますか?

 

150リットルです。

ざっくり言うとドラム缶1本分。
1.5リットルのペットボトルを100本。
ふろ水でいうなら8分目くらい

 

スーパーに並んでる1.5リットルのペットボトルも100本は無いんじゃないでしょうか。

しかも、150リットルは濾過された結果できる「おしっこ手前(原尿)」ですので、実際に濾過される量ってどれくらいなのでしょうか。

一応、腎血漿流量(RPF)という指標があるのですが、それは500-700ml/minです。

これは心臓から送り出されている血液の25%になります。

考えただけでも凄まじい。

あの、腎臓って掌に収まるサイズの小さな臓器なんですよ。

腎臓って実は毎日、ものすごい環境の中で働いているんですね。

濾過は「糸球体」という場所で行われる。

解剖学の話になるのですが、腎臓の中には「糸球体」と呼ばれる部位があります。

毛細血管が糸の玉のように複雑に絡み合っている部位です。

そこで「濾過」が行われ、おしっこの原材料となる「原尿」が作られます。

ここで濾過されなかった物質はそのまま血中に留まります。

身体にとって必要な物質だからです。

濾過した後はせっせと再吸収をする腎臓

腎臓は「濾過」するだけが仕事ではありません。

「濾過」した後の「原尿」から身体に必要な物をせっせと「再吸収」しています。

実は「原尿」って身体に不要なものだけじゃなくて、身体に必要な物も一緒くたにされているんですね。

「え?じゃあ何を濾過してるの?」

という話になると思いますが、決して何もしていない訳ではありません。

「タンパク質等の大きな分子を捌いている」

これが糸球体の主な仕事です。

つまり、糸球体での濾過って「ざっくり」なんですね。

大きな分子は止めて、小さな分子は出す。

僕らは腎臓の役割を

  • 「おしっこを作る」
  • 「濾過して作る」

程度で学んでいますが、それって「おしっこを作る」過程の「ほんの一部」なんです。

おしっこは

  • 濾過
  • 再吸収

を経て初めて作られるものなのです。

再吸収をされた原尿の残りカスが晴れて「おしっこ」となります。

腎臓で「とりあえず」ドバーっと濾過された150リットルもの原尿は、腎臓内で必要な物質の再吸収を経て、晴れておしっことなります。

その量は僅か1%の1.5リットル。

どれだけ再吸収するのよ、という話なんですけど、これはこれで身体側の都合があるようでして、それについては別途詳しく説明をします。

腎臓の負担を抑える事、体内環境の変化に柔軟に対応する事を考えると確かに再吸収の方が実に効率的なんですね。

血液(数百リットル?) > 原尿(150リットル) > おしっこ(1.5リットル)

とりあえずこんな流れです。

ちなみに、腎臓が再吸収する物質には以下のようなものがあります。

  • Nacl:99%再吸収
  • ブドウ糖:99.95%以上再吸収
  • Ca2+:95%以上再吸収
  • リン:80%以上再吸収
  • アミノ酸:ほぼ100%再吸収

他にもあると思うのですが、幾つか上げてみました。

腎臓の働きが尿でわかるというのは、こうした「ほぼ再吸収される物質」が尿中に漏れ出しているからです。

糸球体の濾過機能か、再吸収機能に異常が起こっているという事なんですね。

腎臓はおしっこを作って何をしているのか?

体内環境のバランスを取っている

腎臓は「おしっこ」を作る、「濾過する」という点ばかり注目を集めてしまいますが、大事なのはその目的です。

どうして「おしっこ」を作っているのか、どうして「濾過」しているのか。

それは「おしっこを通じて体内環境のバランスを随時調整している」のです。

おしっこの「濾過」と「再吸収」を通じて調整される要素は沢山あります。

  • 身体を流れる血液の量
  • 血液に含まれるイオン(電解質)の量
  • 血液のPH値

身体に不要な物を排出して、身体に必要な物を再吸収する、それは結果的に上記の安定化に繋がる作業なのです。

おしっこ産生を通して「体内環境のバランスを取る」という。

「おしっこ」って実は物凄く大切な代謝産物なんですね。

「おしっこ」というより「腎臓」の方が大切なんですけど。

実は糖新生もできる腎臓

体内のブドウ糖が枯渇したとき、僕らの身体はブドウ糖を「脂質」「タンパク質」を分解することで作り出すウルトラCを持っています。

それが「糖新生」と呼ばれる反応です。

この糖新生は主に「肝臓」で起こるとされていますが、実は「腎臓」でも起こります。

ただ、

  • 肝臓ほどの糖新生能力は無い。
  • 肝臓が機能不全に陥った時の保険となっている

という、一時凌ぎのような扱いなようです。

それでも「おしっこを作る」だけでなく「ブドウ糖を作り出す」力もあるなんて凄いと思います。

少なくとも排出専用臓器ではないという事です。

ホルモン分泌も行いますしね。

 

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