慢性腎臓病をまとめる by NHK チョイス

慢性腎臓病とは何か?

まず、慢性腎臓病の日本における状況をまとめます。

数字で出した方がイメージし易いと思うので。

  • 慢性腎臓病の罹患者は国内で1,350万人。
    • そのうち3~5万人が透析治療を受けている。

人口が約1億3千万人と考えると、10%の国民が腎臓を慢性的に悪くしているという事ですね。

10人に1人、と考えると多い気もしますが、高齢者世代に罹患者が偏っていると思われるので、ある意味「加齢・老衰」による臓器機能の衰えと言えるかもしれません。

先に腎臓の結論を一つ

腎臓は基本的に不可逆性の臓器

です。

歯と同じで、基本的には壊れたら元には戻りません。

但し、歯と違うのは「不可逆性になるのは一定以上の機能低下が起こったら」という前提があります。

だからといって油断はしないでください。

日本の食生活は元々腎臓に負担をかけるものが比較的多いのですから。

僕個人としては「腎臓」が生活に耐えきれなくなったと思っている。

これは僕個人の慢性腎臓病に対する考え方なのですが、僕ら日本人の食生活は欧米化が進む前から「塩分過多」でした。

これは土地柄というか国柄だと思うので仕方がないと思うのですが、今はそれに加えて「脂質」「糖質」も過剰摂取となっています。

平たく言うと「腎臓を傷つける食生活」をするようになっている訳です。

[bd url=”https://www.aru-kikata.com/archives/2131″]

 

こちらの記事でも少し書いていますが、内臓は全てが「沈黙の臓器」であり「現代科学を超えた機能」を持つ存在です。

なので、腎臓に負担の大きな食生活を送っていたとしても、腎臓は何も言わずに毎日せっせと処理して数十年と過ごしている訳です。

毎日、少しずつ自分を傷つけながら。

※実際に腎臓が傷つく訳ではないですが、「毎日過負荷を背負う。日に日にダメージは蓄積していく」というイメージを例えた表現です。

食生活の多大な負担とは別に「老衰」による機能低下も加わるのが加齢というもの。

若いうちは腎臓はとても元気です。

細胞が元気な上に、車でいうならF1を更に超えるレベルの性能を誇っています。

だから食生活の負担にだって平気では無いにしても、悲鳴をあげる程でもないという感じで黙々と日々の仕事をこなしている。

でも、加齢とともに「腎臓そのもの」が衰えてくるとそうはいきません。

腎臓の働きが徐々に落ちているのに、食事の負担は中々落ちない。

  • 腎臓機能そのものの緩やかな低下
  • 余り変わらない腎臓への負担

これは腎臓へのダブルパンチとなります。

傷口の再生速度が損傷速度に追いつけなくなった状態ですね。

そして、腎臓は徐々に疲弊して、最後は悲鳴をあげてしまう。

僕は慢性腎臓病はこういう仕組みで起こっている疾患だと思っています。

発症する数十年前から「仕込み」が始まっているのです。

腎臓検査は血液中の「クレアチニン濃度」で確認できる。

腎臓検査は腎臓そのものの検査ではなく「血液検査」で可能です。

血液検査って本当に万能の検査だと思います。

クレアチニンって何?

クレアチニンとは筋肉へのエネルギー供給源である「クレアチンリン酸」の代謝産物となります。

早い話が「排出するだけの老廃物」です。

記号では

  • Cr
  • CRE
  • CREA

で表記される物質です。

筋肉へのエネルギー供給の際に作られる物質なので、筋肉内で代謝産物として生まれ、その後血液経由で腎臓から排出されます。

クレアチン(Cr)は代謝されてからの排出までの流れが速く、更には再吸収は基本されません。

100%排出です。(老廃物なんだから当然)

その特徴を利用して血中クレアチニン検査が腎臓検査として機能しています。

クレアチニン(Cr)の検査だけど診断基準は「eGFR」となる。

クレアチニンの検査だから「Cr」だと思ってしまいそうですが、実は慢性腎臓病の診断基準は「eGFR」という表記になっています。

これは「クレアチニンの血中濃度」だけで診断がつくのではなく、年齢や筋肉量も併せて診断基準とした上で「糸球体の濾過する量の推測値(eGFR)」を算出して、改めての診断となるからです。

単純にクレアチン濃度だけなら「Cr」の表記だったと思います。

でも、筋肉へのエネルギー供給役のクレアチンリン酸は筋肉質の人には沢山存在しているので、マッチョな方の場合は血中のクレアチン濃度が高めになったりしてしまうんですね。

血圧と同じで個人差が結構あるのです。

「クレアチニン検査がどうしてeGFRになってるの?」

と不思議に感じる患者さんも多いですが、こういうことなんですね。

eGFRが60未満だと慢性腎臓病の可能性が出てきます。

慢性腎臓病の症状について

慢性腎臓病は「腎臓の濾過機能」が低下してしまい、排出されるべき老廃物が体内に留まってしまう病気です。

排出すべき老廃物が体内に留まると循環障害が起こり「酸化」が進みます。

フィルターの故障した人工の循環水路と同じです。

フィルターによる濾過がなされず、同じ水がグルグル循環する為に徐々に濁りやゴミが混じっていきます。

血中に酸化物が居座り、栄養や酸素の循環不良が起こっていくのです。

「ホメオスタシスの崩壊」

ですよね。

その結果として

  • だるさ
  • 食欲不振
  • むくみ
  • 高血圧
  • 貧血
  • 息切れ
  • 動悸

等の「身体の不具合」が出てきます。

「痛い」とか「痺れる」といった症状よりも「重だるい」といった「思う様に身体が動かせない」という症状が多いです。

「酸化」の特徴ですね。

こういった症状が出てくるという事は、それなりに血液の状態が悪くなっているという事です。身体の代償機能が思う様に働かず、運動機能に影響が出始めているのです。

ひょっとすると、代償機能のお陰で「まだ動ける」状態にあるだけなのかもしれません。

どちらにしても、迅速な対応が必要となります。

番組中でも「10年以上かけて進む」という解説があった。

僕が上記項目で「数十年かけて蓄積される」と書きましたが、番組中でもやはり

「10年以上かけて進む」という解説がありました。

やはり長期的な蓄積が原因なのだと思います。

そしてその「蓄積」の多くは「食生活」のはずです。

腎臓が担当するのは「体内に入ってきたもの or 体内で作られたもので、不要なものを排出する」というものですから。

人工透析について

腎臓の機能が低下してしまい、自力での循環が難しくなった場合には「人工透析」という選択肢が出てきます。

今は昔と違って様々な透析治療の形が出てきているようです。

それぞれ特徴がありますので、自分の求めるライフスタイルにどれが一番合致しているのか、それを踏まえての選択と決断になると思います。

1.血液透析

恐らく、人工透析といえば「血液透析」をイメージする人が多いと思います。

ベッドで横になり、透析機によって血液の濾過を行う治療です。

  • 頻度:週3~4回
  • 時間:4~5時間

拘束時間がそれなりの為、生活が少し窮屈になるのがネックです。

最近は透析中に軽い運動を導入する形も出てきているそうです。

個人的には「透析中でなくてもいいんじゃないか?」と思うのですが、、、

2.腹膜透析

自宅でもできる透析治療です。

腹部に予めカテーテルを通しておいて、腹腔へと透析液を流し貯めておきます。

腹膜の毛細血管を透析膜として活用し、透析が終わった透析液は排出用の袋へと排出されます。

自宅でできる、という大きなメリットがありますが、

  • 頻度:1日3~5回
  • 時間:30~40分
  • 遠出の場合は1.5リットル×4個(6kg)の透析液を持ち歩く必要

という少しマメな作業になります。

慣れてくると平気なのかもしれませんが、最初は少し面倒に感じるかもしれません。

「ああ、もう透析の時間か」と。

あと、自分で何度も抜き差しをする形になりますので、どうしても「感染症」のリスクは高くなります。

3.長時間透析

夜間透析(オーバーナイト)なども当てはまると思います。

1回あたりの透析時間を長く設定(6時間以上)することで、身体への負担を軽くすることができます。

食事制限も緩くなるので生活に張りが生まれます。

  • 頻度:週3~4回
  • 時間:6時間以上
  • 食事制限が緩くなる
  • 廃用性萎縮のリスク

熱心に取り組んでいる病院の場合は一般的な透析では「透析不足」が起こると考えているようです。

ただ、弱った腎臓に「食塩制限なし」の従来の食生活を行うというのは「治療」というより「QOLの維持向上」を目的とした取り組みかなと思います。

一つでも多くストレスを解消するという事は「生きる価値が」それだけ増えるという事です。

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